スクラムチームはどのように編成されるのか

プロスポーツには、チーム編成を成功させるための実績あるアプローチがあります。 NBAは、サラリーキャップ、スキル、チームフィットなどの外部要因を考慮して、オフシーズンのトレーニング、ドラフト、ロッタリー、トレードに基づいてチームを構築します。 世界で最も競争力のあるチームを作るのを助けるために、新進気鋭のメンバーを集めたマイナーリーグさえ持っています。 NBA組織は、これらの取り組みに注力し、慎重に検討していきます。 これは、スクラム チームの編成方法と同じです。

プロスポーツチームと同様に、組織はチームを構築するために多くの力を注ぎ、慎重に検討しなければなりません。 チーム編成に使えるリソースが少ないため、企業はスクラムチームを編成するにあたり最良のアプローチについて悩みます。 重要なのは、やる気のある適材を選び、必要な環境とサポートを提供し、仕事を成し遂げるために彼らを信頼することです。 言い換えれば、アジャイルの原則5に従います。

この記事では、パフォーマンスの高いスクラムチームを編成するための、実証済みのアプローチについて説明します。

1 アジャイルの価値観と原則を参照する

製品開発には、長期的でほぼ恒久的なチームが必要です。 永続的なチームを編成することは簡単な作業ではありません。 チームによる決断のほとんどがそうであるように、アジャイルの価値観と原則が優れたガイダンスを提供してくれます。

アジャイルの価値

  • プロセスとツールより、個人の相互作用。
  • 包括的な文書よりも、実用的なソフトウェア。
  • 契約交渉よりも、顧客とのコラボレーション。
  • 計画に従うことよりも、変化に対応すること。

これらの価値観は、プロセスやツールよりも、人と相互作用を重視するメンバーでチームを編成することを示唆してくれます。 スプリント毎に「潜在的に出荷可能な」製品インクリメントを作るために必要なスキルを持ち、他者、特に顧客とうまくコラボレーションでき、計画に従うことよりも変更に対応することの重要性を理解しているチームメイトが必要です。

アジャイルの原則

次のアジャイル原則も考慮してください。

  • アジャイル原則4:ビジネス幹部と開発者は、プロジェクト全体を通して毎日連携する必要がある。
  • アジャイル原則5:やる気のある個人を中心にプロジェクトを構築する。 彼らが必要とする環境とサポートを提供し、仕事を成し遂げるために彼らを信頼する。
  • アジャイル原則6:開発チームとの間で、または開発チーム内で情報を伝達する最も効率的で効果的な方法は、対面での会話である。
  • アジャイル原則8:アジャイルのプロセスは持続可能な開発を促進する。 スポンサー、開発者、およびユーザーは、永続的に一定のペースを維持する必要がある。
  • アジャイル原則11:最高のアーキテクチャ、要件、設計は、自己組織化チームから生まれる。
  • アジャイル原則12:チームは定期的に、より効果的になることを振り返り、それに応じて行動を調整する。

要約すると、アジャイルの原則は、顧客のニーズを満たす権限を与えられた、物理的に同じ場所にいる、機能横断型のチームを形成することを示唆しています。 彼らが適切だと思うかたちで持続可能なペースで働き、自己組織化して、改善する自由を持つことが望ましいです。 彼らのモチベーションは、チームとして働くときの 自律性、目的、習熟度 から生まれます。

2 ATTでチームの成功を確実にする

原則5に基づいて、 ATT(アジャイル移行チーム) の編成から始めます。ATTは、現状に責任があり、組織を変えることができるリーダーたちによるチームです。 チームを結成したら、成功するためには組織の幹部によるサポートが必要です。

環境はチームのペースを制約します。 ATT は、スクラムを取り入れてアジャイルの成熟度ロードマップを提供する際に模範を示すだけでなく、チームを制限し、潜在能力を最大限に発揮するのを妨げる障害を取り除きます。 ATTのサポートは、結成されたチームにとって非常に重要です。

3 パイロット版スクラム チームを結成する

ATTを確立したら、次に結成すべきチームはパイロット版スクラムチームです。 このチームを本格的なパイロット版として動かします。つまり、アジャイルの基礎を学ぶために使う製品が、低リスクでありながら価値があるものであるべきということえです。 パイロットの目的はスクラムの実践経験を積むことですが、チームが同時に多くの製品リスクに対処している場合、これが困難な場合があります。 製品開発の取り組みを成功に導くことが、チームができるだけ早く基礎を学ぶ助けになります。 「パイロット版」とは、そのチームが短命であることを指すのではありません。可能な限り長く続くチームを形成しましょう。

各チームは、タックマンの4つのチーム形成モデルのステップを踏みます。形成期、混乱期、統一期、そして最終的に機能期です。 チームが機能期になったら、高いパフォーマンスのペースを維持できるように、チームを分割しないようにしましょう。

4 決断できるプロダクトオーナーを選ぶ

間違えてはならない最初の役割は プロダクトオーナーです。 プロダクトオーナーはプロダクトのエキスパートであり、チームに対して顧客の声を代弁します。 彼らはステークホルダーとビジョンを設定し、決断力があり、投資と財務のトレードオフの難しい決断を下す人です。

チームのピアメンバーとして、開発チームがいつでも質問を投げかけられ、その質問に対応できる必要があります。 プロダクトオーナーの仕事のほとんどは、顧客のニーズを理解し、それらとステークホルダーのフィードバックのバランスをとることですが、これは簡単な役割ではありません。 ほとんどの組織が、トップパフォーマーのなかからプロダクトオーナーを選択し、そのことで空いたパートを埋め戻します。

5 機能横断的で有能な開発チームを選ぶ

次に、開発チームを特定します。 実用的な製品のインクリメントを構築するのに十分な開発チーム メンバーが必要です。 チームは、単体テスト、回帰テスト、およびコードの昇格を精緻化、設計、開発、テスト、統合、デプロイ、および自動化できる、さまざまなレベルの経験とスキルを持つ人々で構成する必要があります。 ほとんどの組織が、3から6人のメンバーでチームを編成します。 移行に成功することで、他の人のスクラム移行を勢いづけてくれるので、チームにトップパフォーマーに参加してもらう必要があるのです。 必要に応じて、トップパフォーマーが抜けた分の役割を埋め戻しましょう。

6 サーバントリーダーであるスクラムマスターを見つける

最後になりましたが重要なこと:スクラムマスターを見つけましょう。 サーバントリーダーシップの傾向が最も強い人を選択します。 チームの成功に最も関心があり、組織のアジリティを高めることを支える人(アジャイル推進派)を選びます。

スクラムマスターは、グループの規模の大小にかかわらず優れたファシリテーターです。 スクラムマスターは、チームが困難な障害を克服するのを助けるために組織力を必要とします。 プロのコーチからのサポートは、スクラムマスターがその新しい役割を学ぶのに役立ちます。 必要に応じて、スクラムマスターの空いた役割を埋め戻しましょう。

そして繰り返す

パイロットチームがATTとプロのコーチングサポートで牽引力を獲得するにつれて、価値があり実用的な製品のインクリメントを一環して提供していくことは、アジャイルな組織としての足跡を大きくしていく準備ができていることを示しています。 パイロット版チームの形成の際に必要だった厳密さは、2番目以降のすべてのチーム編成に必要です。

各チームが、製品のビジョンとロードマップ、完了の定義、および作業におけるチームの合意を形成するにあたり、自己組織化できるようにします。 これらは、チームの目的とチームの「規範」を確立するために重要です。 新しいチームを作る時に、すでに形成されたチームを種にしたいという誘惑には負けないようにしましょう。

メリットを享受しよう

パフォーマンスの高いチームを確立するには、チームを成功に導く適切な人材を慎重に選ぶことから始まります。 スクラムトレーニング、組織的なサポート、専門的なコーチングを取り入れれば、驚くべき結果が得られます。

チームでの作業について、 『最強組織の法則―新時代のチームワークとは何か』の著者であるピーター・センゲは「人々は自分よりも大きな何かの一部であること、つながっていること、生産的であることについて話をします。多くの人にとって、真に素晴らしいチームの一員としての経験は、人生を最大限に生きた特別な期間として際立っていることがよくわかる。」

本当に優れたチームは一夜にして集まるものではありません。 チームメンバーの慎重な選択、アジャイルの価値観と原則の遵守、エグゼクティブスポンサーシップによって、その経験は、従業員のキャリアの中で最もやりがいのある充実した経験の1つとして際立っています。

スクラムチームの形成について分からないことがありますか? または、形成されたチームがハイパフォーマンスであることを確実にしたい? 今すぐお問い合わせください

[monarch_share center=”true”]
0

We are using cookies to give you the best experience on our website.

You can find out more about which cookies we are using here.