ジェイソン・ガードナー(編)
あなたがアジリストであれば、チームが協力し、共に解決策を見つけることがいかに重要であるかをご存じでしょう。 ただし、意見の相違が生じると、そこから先に進む方法を見つけるのが難しい場合があります。 幸いなことに、チームが議論を進め、解決に至るのに役立つさまざまな方法:コンセンサスツールがあります。 この記事では、さまざまなコンセンサスツールの概要と、そのツールそれぞれが最も効果を発揮する状況について説明します。
何をすべきか、何を話すべきかを決めるには
ドット投票
ドット投票は、どの領域でチームが同意または不同意なのかを、簡単に特定するための優れた方法です。 この方法は、グループの全員に、決められた数のドット(円形のシールなどで、通常は決まった色)が与えられ、支持する項目の横に、そのドットを配置するやり方です。 すべてのドットを1つの項目に配置してもいいですし、複数の項目に分散させてもいいです。 これは、アイデアや提案のリスト作りと同じくらい簡単です。 ドット投票により、どのアイデアが他のアイデアよりも多くの支持を得ているかがすぐに分かり、チームが潜在的な解決策を特定するのに役立ちます。
ローマ式投票
ローマ式投票は、可能な解決策に投票することで、参加者の合意に導くやり方です。 この方法は少人数のグループに適しています。各人が3票の投票権を持っています:1票は「賛成」、1票は「反対」、もう1票は「どちらでもない」。 投票を簡単に集計できるように、選択肢の数は比較的少ないほうが良いでしょう。 この方法は、グループが各選択肢の長所と短所について議論し終わった状態で始めると、最も効果を発揮します。 ローマ式投票は、迅速かつ効率的に意思決定を行いたいチームにとって便利な方法です。
前向きな会話のために
レジスタンスポイント
レジスタンスポイントも、よく使われているコンセンサスツールの1つです。 この方法によって、チームメンバーが特定のアイデアや提案に同意しない理由を明確にすることができます。 グループメンバーが一人一人順番に話し、話者以外の全員が各論点についてフィードバックをします。 これにより、チームが反対意見をよりよく理解し、前に進むためのクリエイティブな解決法を見つけ出すことができます。 レジスタンスポイントは、うそのない議論と理解を促すための余地を作り出すことにより、チームが合意に達するのに役立ちます。 さらにこの方法は、チームメンバー間の共感を高め、より強い連帯感を育むのに役立ちます。
サイレントコラボレーション
サイレントコラボレーションとは、チームメンバーが話しをすることなく協働するコンセンサスツールです。 この方法は、声を出してアイデアを議論したり、グループで議論したりすることに抵抗があるチームに特に役立ちます。 この方法では、チームに解決すべき課題が与えられ、文章、絵、またはその他の非言語的手段のみを使用して解決策を考え出していきます。 これにより、チームメンバー全員がプレッシャーや不安を感じることなく自分の考えを表現できます。 サイレントコラボレーションは、チームが創造的なソリューションを考え出し、プレッシャーを感じることなく合意に達するのに効果的な方法です。 さらに、チームメンバー間のより良いコミュニケーションと理解を促すのに役立ちます。
コンセンサスクロック
コンセンサスクロックは、対立するチームにとって便利なコンセンサスツールです。 この方法を使うと、ディスカッションにおいて、各参加者に一定時間を割り当てるので、話者は中断されることなく話すことができます。 この方法により、全員が自分の考えを話す機会を持つため、支配的な参加者が議論を行き詰まらせるのを防ぐことができます。 割り当てられた時間が決まっていることで、それぞれが最も重要なポイントに集中し、論点から脱線することを防ぐことができます。
ダイアログマッピング
ダイアログマッピングは、複雑な問題に対処するときに特に役立つコンセンサスツールです。 このプロセスでは、マインドマップを使って議論を視覚的に表現していきます。 参加者は、構造化されたディスカッションに参加し、互いの考えに基づいて構築していくことができます。 ディスカッションが終わる頃には、マインドマップには目前の問題に関するグループの集合的な理解が反映されています。
合意を評価するために
フィスト・オブ・ファイブ
フィスト・オブ・ファイブは、特定のトピックに関する合意を評価するための迅速かつ簡単な方法です。 この方法では、グループメンバー全員が拳をテーブルの中央に置き、3カウントで、各人が同意のレベルを示すサインを出します。 拳を出せば、全面的な反対の意、5本の指を出せば全面的な合意を示します。 このアプローチは、迅速な決定を下す必要があり、全員がその問題に対してどういう立場かを確認したい場合に、特に役立ちます。
フィスト・オブ・ファイブ・プラス
フィスト・オブ・ファイブ・プラスは、フィスト・オブ・ファイブにもう少しニュアンスを加えることのできる方法です。 この方法は、問題に対して合意の程度を示すという点ではフィスト・オブ・ファイブと同じですが、各人が、表明する同意の程度について説明する必要があります。 これにより、誤解を防ぎ、全員が共通認識を持つことができるようになります。 また、チームが次のステップへ進む前に対処しておく必要がある、意見の相違や懸念事項を特定するのにも役立ちます。
まとめ
お分かりのとおり、チームがさまざまな意見を踏まえながら解決策を見つけるのに役立つコンセンサスツールは様々です。 それぞれのやり方に長所と短所があり、どのやり方が最適かは、それぞれのチームが直面する状況によって異なります。 これらのコンセンサスツールを使うことで、チームは効果的なコミュニケーションを促し、より良い意思決定を行い、チームメンバー間の信頼を築くことができます。 この記事がチームに役立つリソースとなって、ご紹介したコンセンサスツールを実践されることを願っています。