アジャイルな働き方をサポートする目標設定フレームワーク

スティーブ・オスターミラー(編)

ビジネスのアジリティを最大限に活用したいとお考えですか? あなたはパーパスドリブンで、目的と結果を意志決定の原動力にしていますか? 私たちが行っている戦術的な作業が技術的なものであろうとなかろうと、私たちが行うことはすべて、ビジネス上の目標によって推進されるべきです。 価値を提供するためのアプローチが戦略的に安定していれば、目標を達成する方法については戦術的に柔軟性を保つことができます。

目標を順調に進めていく方法をお探しですか? 効果的な目標設定フレームワークにより、 企業はアジリティを保ち、目標を効率的に達成し、戦略的な整合性を確保することができます。 この記事では、3つの目標設定方法:OKR(目標と主要な結果)、SMART、MBO(目標管理)ゴールについて見ていきます。 これらのフレームワークがアジャイルな作業習慣をどのように支えるかについて説明し、独自の目標を構築するのに役立つテンプレートを提供し、成功するビジネス目標を設定するためのヒントをご提供します。 これを手引きにしていただけば、あらゆるプロジェクトの進捗状況を常に把握できるだけでなく、会社のあらゆる分野において結果を出し続けることのできるワークフローを作ることができます。 それでは始めましょう!

OKR、SMART、およびMBOの概要

目標設定は、どの組織にとっても不可欠な構成要素であり、目標設定のプロセスを構築するために役立つ、いくつかのフレームワークが存在します。 最も一般的なフレームワークは次の3 つ:OKR、SMART、およびMBO です。 「目標と主要な結果」の略である OKR は、野心的で測定可能な目標を設定し、その達成に向けた進捗状況を把握することに焦点を当てたフレームワークです。 SMARTゴールは、具体性、測定可能性、達成可能性、関連性、適時性に重点を置きます。 最後に、MBO(目標管理)は、経営陣とその直属の部下の間のコラボレーションと連携を重視した目標設定フレームワークです。 各フレームワークの強みと、それらを複合的に使う方法を理解することで、組織の成功と成長を最大限に引き出すことができます。

OKR(目標と主要な結果)ゴール・フレームワークとは

OKR(目標と主要な結果)ゴール・フレームワークは、世界中の組織が目標を効率的に達成するために使用する一般的な管理ツールです。 「目標」は、企業が達成を目指す外観的な目標であり、「主要な結果」は目標が達成されたかどうかを示す測定可能な成果です。 「アウトプット」と「アウトカム」を区別することが重要です。 「アウトプット」は、実行するタスクや作成するウィジェットなど、実行または作成するものです。 でも、それは何? 私たちが行ったことや作成したことの「結果」はどう? この問いかけのほうが重要です。 「アウトプット」は私たちの行動を左右するべきではありません。 「アウトプット」は「アウトカム(結果)」を出すための手段に過ぎません。 「アウトプット」を計画する前に、望んでいる「アウトカム(結果)」を明確にする必要があります。

OKRフレームワークは、チームが最も重要なことに集中し、共通の目標を達成するために連携する役に立ちます。 これは、生産性や透明性を高め、継続的に改善する習慣を作り出すために効果的な方法です。 OKR を活用することで、組織は、複雑な目標を、より小さく、達成可能な目標に分割し、進捗状況の管理と把握を容易にすることができます。 つまりOKRによって、組織内の全員が目的と方向性を意識し、組織はより良い結果と成功へと向かって行きます。

SMART(具体的、測定可能、達成可能、関連性、期限付き)ゴール・フレームワークとは

目標を達成するためには、正しい方向に導いてくれるフレームワークを使うことが重要です。 そこでSMARTゴール・フレームワークの出番です。 SMARTの戦略的アプローチによって、目標は具体的で測定可能、かつ達成可能で、関連性があり、期限付きのものになります。 目標を、より小さく、より管理しやすい段階に分けるることで、成功への明確な道筋を作ることができます。 この方法によって、道を逸れることなく重要なことに集中し、最終的に私生活においてもキャリアにおいても大きな満足感を得て生産性を高めることにつながります。 学生であっても、起業家であっても、または単に夢に向かって前進しようとしている人であっても、SMARTゴール・フレームワークは、あなたにとって不可欠な武器となります。

MBO(目標管理)ゴール・フレームワークとは

Management by Objectives(目標による管理)の略であるMBOは、経営陣が組織のパフォーマンスを向上させるために何十年にもわたって活用してきた目標指向型のアプローチです。 このフレームワークは、企業が目標を設定し、進捗状況を把握するための一般的な方法になっています。 MBOの基本的な考え方は、従業員の士気を高めるには、具体的で測定可能な目標を持たせるべき、というものです。 MBOを活用すると、経営陣と従業員が協力して目標を設定し、測定可能な結果を定義し、それらの目標に向けた進捗状況を把握していくことができます。 MBOは、活動ではなく結果に焦点を当てるので、組織全体が効率的、効果的になり、成功するのに役立ちます。

ビジネス目標の設定方法

ご紹介した目標設定フレームワークにはそれぞれ独自のアプローチがありますが、それらはすべて互いに補完する共通の要素を持っています。 何よりもまず、OKR、SMART、MBOのフレームワークはすべて、明確で測定可能な目標の設定に重点を置いています。 定量化可能な結果に重点を置くことで、進捗状況を経時的に把握、および評価できます。 第二に、これらのフレームワークは組織内の連携を促し、チーム内の全メンバーが同じ目的を理解し、それに向かって取り組むことを保証します。 最後に、これらのフレームワークはすべて継続的に改善していく習慣を促し、チームが定期的に目標を確認し、進捗状況を評価し、必要に応じて戦略を調整することを後押しします。 こういった共通の属性は、組織の成功を推進するうえでの、構造化された目標設定の重要性を明確に示しています。

組織は、これら3つの目標設定アプローチすべての長所に焦点を当てるとよいでしょう。 OKR は、「アウトカム」(結果)を明確に定義し、焦点を設定します。 (「アウトプット」と「アウトカム」の違いを覚えておいてください。 ) MBOは、組織全体のトップダウンとボトムアップの整合性と責任感の確保に役立ちます。 仕事をしている人が、自分がしていることの背後にある「理由」を理解すると、より高い価値と品質のアウトプットにつながります。 そしてSMARTは、結果を、具体的に、測定可能かつ達成可能で、関連性とが期限のあるかたちで描くことを後押しします。

目標設定のテンプレートを使うと、プロセスが簡素化されます。 適切なテンプレートを使うと、達成可能で測定可能な方法で目標を構造化できます。 下記のテンプレートは、実行する必要のあるステップを特定し、期限を設定し、進捗状況を把握するのに役立ちます。 目標の大小に関係なく、テンプレートを使用すると、目標を達成する力に大きな違いが生じる可能性があります。 したがって、目標設定プロセスを合理化したい場合は、入手可能なテンプレートを調べてみる価値があります。

OKR、SMART、およびMBOのフレームワークを活用して目標を設定するときに使えるテンプレートの例をご紹介します。

OKR テンプレート:

  • 目的: [Clearly defined goal]
  • 主要な結果:
    • [Measurable result 1]
    • [Measurable result 2]
    • [Measurable result 3]
  • SMARTゴールのテンプレート:
    • 具体性: [Detailed description of the goal]
    • 測定可能: [How will progress be tracked?]
    • 達成可能: [Is this goal realistic with effort and commitment?]
    • 関連性: [Why is this goal significant?]
    • 期限: [When is the deadline for this goal?]
  • MBOゴールのテンプレート:
    • 目的: [Clearly defined goal]
    • 測定可能なアウトカム:
    • [Outcome 1]
    • [Outcome 2]
    • 進捗状況の把握: [How will progress be tracked?]
    • タイムライン: [When is the deadline for this goal?]

これらのテンプレートは、目標を書き留めるための出発点として機能します。 重要なのは、望んでいる成功を具体的に想像し、その評価基準を明確に理解できるように、できるだけ詳細かつ具体的に書くことです。

まとめ

この記事では、一般的な目標設定フレームワーク(OKR、SMART,MBO) の概要について説明しました。 さらに、各フレームワーク独自の強みを説明するだけでなく、各フレームワークを複合的に使用して、戦略的な方法でビジネス目標を設定する方法についても説明し、目標設定でテンプレートを活用するのに役立つリソースをいくつか提供しました。 これらのフレームワークの要点を理解し、行動計画を練ることで、組織は達成可能な目標を設定し、それらに向けた進捗状況を把握することができます。 最終的に、この記事は、企業が目標設定フレームワークを使用して生産性を最大化し、継続的な改善の習慣を生み出す方法についての貴重な洞察をご提供しました。

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