ジェイソン・ガードナー（編）
アジャイルプロジェクトの始め方
自身のビジネスでアジャイルプロジェクトの導入を検討しているプロフェッショナルであれば、正しいスタートを切ることの重要性をご存知でしょう。 アジャイルには、安定したチームの確保からステークホルダーとの効果的なコミュニケーションまで、多くの不確定要素が含まれますが、アジャイルを正しく開始することが成功の鍵となります。 この記事では、アジャイルプロジェクトの開始方法について掘り下げ、一日目から成功するための最善の方法と戦略を探ります。
アジャイルマニフェストの価値と原則、およびそれらがどのようにプロジェクト管理に使われているかを理解する
アジャイル手法は、その柔軟なアプローチにより、チームがプロジェクトの範囲内での変更に迅速に適応できるため、近年、プロジェクト管理において、ますます人気が高まっています。 アジャイル手法の中心にあるのは、 『アジャイルマニフェスト』です。これは、コラボレーション、応答性、継続的な改善を促進するために設計された指針となる一連の価値観です。 これらの原則を採用することで、プロジェクトチームは、ステークホルダーのニーズを最優先に保ちながら、高品質の結果を提供することに集中できます。 アジャイル手法を初めて実践する場合でも、既存のプロセスを改善しようとしている場合でも、 『アジャイルマニフェスト』の原則は、目まぐるしく進む今日のビジネス界で成功するためのロードマップを提供できます。
アジリティのコアバリューを特定し、すべてのステークホルダーがそれを理解していることを確認する
アジリティは、市場の変化への迅速な適応とキャパシティの効率的な活用を可能にする、成功する組織の差別化要因となり得ます。 ただし、アジリティを真に受け入れるには、アジリティを支えるコアバリューをすべてのチームメンバーとステークホルダーが十分に理解する必要があります。 透明性、コラボレーション、実験、継続的な改善といった価値観が連動して育むのは、変化が受け入れられるだけでなく、成長の機会として歓迎される環境です。 さらに、経営幹部からチームメンバーまで、すべてのステークホルダーにこれらの価値観を確実に理解してもらうために、組織は自信を持って前進し、全員が同じ目標に向かって取り組んでいるという安心感を得ることができます。
プロジェクトの目的、目標、目標タイムラインを決定する
プロジェクトに着手するときは、その目的、目標、目標タイムラインを明確に理解することが重要です。 これらの要素は、プロジェクト全体が構築されていく基盤です。 ただし、開始時点では、正確な完了時期が測れるとは限らないことに留意することが重要です。 予想しなかった後退やスコープの変更など、タイムラインに影響を与える可能性のある予期せぬ要因がしばしばあります。 それにもかかわらず、プロジェクトの開始時に目的、目標、および目標タイムラインを決定することは、物事を軌道に乗せ、成功裏に完了させるために不可欠です。 目標タイムラインは、予測とは異なるということを認識してください。 目標タイムラインは、組織が納品したい時期であり、予測は、実証されたデータに基づいて判断した、納品ができそうな時期です。 この２つは多くの場合、一致しません。 「目標」は単なる「見積り」だと言いたくなると思いますが、そうではありません。 組織が、現実的な予測を立てると、スコープの縮小、目標日の延長、プロジェクトに関わるチームの追加など、予測に影響を与える現実的な決定を下すことができます。 これらの重要な要素を明確に理解することで、プロジェクトチームは、より効率的かつ効果的に協力して目標を達成できます。
プロジェクトに対して明確なビジョンを持つ、安定した部門横断的なチーム構造を構築する
成功の鍵となるのは、チームメンバーが他のチームではなく当該チームに専念する安定したチームを持つことです。 この安定性により、チームは共同作業を改善する方法を学び、ベロシティを測定して適切な予測をすることが可能になります。
チームは部門横断的であるべきです。つまり、プロジェクトを遂行するために必要なすべてのスキルを活用できる状態であるべきなのです。 外部に依存するということは、プロジェクトに待機時間が発生することを意味します。
さらに、明確な製品ビジョンを持つことで、全員が同じ目標に向かって取り組むことができ、重要度の低いタスクを除外するのに役立ちます。 これにより、チームは共通の目標に向かって、より効率的かつ効果的に作業できます。 適切に構造化されたチームは、プロジェクトを成功に導くことができます。
最初のプロダクトバックログを作成し、プロジェクト全体を通してタスクを把握しよう
成功するプロジェクトはすべて「計画」から始まりますが、そこで必要になるのが最初のプロダクトバックログです。 これはプロジェクトのToDoリストのようなもので、必要なことや要望がすべて一箇所にまとめられ、優先順位が付けられています。 このツールを活用すると、タスクを把握し、優先順位を付け、すべてが正しい方向に進んでいることを確認できます。 プロダクトバックログによって、すべての項目が可視化されていることを確認でき、安定したチーム及び効果的な予測の基礎を形成します。 また、優先順位について相反するアイデアがある場合に会話を導くのにも役立ちます。 ソフトウェア開発プロジェクトに取り組んでいる場合でも、新しいマーケティングキャンペーンを起ち上げている場合でも、プロダクトバックログを用意しておくと、整理整頓して順調に進めるのに役立ちます。
プロジェクトに関わる全員とキックオフミーティングを行い、期待値を設定しましょう
プロジェクトの成功とは、締め切りや目標を守ることだけでなく、最初から全員が同じ考えを持っていることが重要です。 だからこそ、プロジェクトに関わるすべての人とのキックオフミーティングが重要なのです。
この会議では、リーダーシップとスポンサーから何を期待されているのか、明確な期待値を設定することができます。 ビジョンも明確に伝えます。つまり、そのプロジェクトが存在する理由、顧客にとってのメリット、成功の尺度を全員が理解する必要があるということです。 これにより、プロジェクトの目標に対するビジョンが共有され、将来的な誤解やコミュニケーションの食い違いの可能性が減ります。 全員が同じ認識を持つことで、プロジェクトは力強いスタートを切り、成功に向けて準備を整えることができます。
スプリント計画を開始して、タスクを管理しやすい塊に分ける
スプリント計画を実行し、タスクをより小さく、より管理しやすい塊に分割することは、プロジェクトを成功させるために不可欠です。 そうすることで、チームメンバーが順調に進み、あらゆる段階で確実に前に進んでいくことができます。 このアプローチの最大の利点の１つは、迅速なフィードバック・ループの機会があるということで、途中で進捗状況を測定および調整できることです。 タスクを簡潔な測定値に分解すると、進捗状況をすばやく評価し、潜在的な障害を特定できます。 この段階的なアプローチにより、プロジェクトをコントロールし、確実に成果を上げることができます。 まだ実行していない場合は、いますぐスプリント計画を実行し、タスクを分割してください！
コミュニケーション・プロトコルを確立して、全員が進捗状況を把握できるようにしよう
プロジェクトを成功させるにはコミュニケーションが重要であり、明確なコミュニケーション・プロトコルを確立することが重要です。 スプリントレビューは、ステークホルダーが進捗状況を確認し、製品の方向性についてフィードバックを提供する時間です。 また、チームは15分間のスクラムミーティングを毎日開催し、その日の計画を立て、障害があれば伝えます。
ステータスを伝えるだけの会議は避けてください。 ステータスは、自動化されたダッシュボードやスプリントボードなど、できるだけ手軽な方法で伝える必要があります。 効果的なコミュニケーションプロトコルを使用することで、チームはタイムリーかつ効率的な方法で目標を達成できます。
進捗状況を定期的に監視し、プロジェクトが予定どおりに予算内で完了していることを確認しよう
プロジェクトが予定どおりに予算内で完了するようにすることは、あらゆるビジネスの成功に不可欠です。 これを達成するための効果的な方法の１つは、進捗状況を定期的に監視することです。 これは、プロジェクトの進行が遅れている、または予算を超えている可能性のある領域を特定するのに役立ちます。 たとえば、チーム・タスクボードまたはカンバンボードを使用して、実行すべきタスク、進行中のタスク、または完了したタスクを明確に示します。 継続的に監視することにより、チームは問題に即座に対処し、リスクを軽減し、戦略を調整して軌道に乗せることができます。 ただし、「とにかく速く走れ」と促すことは、リスクを軽減したり改善したりする方法ではないことに注意してください。 定期的な進捗の見直しは、プロジェクトの成果を向上させるだけでなく、チームメンバー間のコラボレーションを促進し、より良いコミュニケーションを可能にします。 進捗状況を常に把握することで、企業はリソースの割り当てを最適化し、無駄な時間とお金を削減し、最終的に高品質の作業を提供できます。
士気を高く保つために、途中で成功を祝おう
目標に照準を合わせると、最終目的地にとらわれて、旅を楽しむことを忘れがちです。 しかし、きちんと成功を祝うことは、士気を高く保つために驚異的な効果を発揮します。 大きな節目を迎えたことをチーム全体で認めることであれ、個人的な小さな勝利であれ、きちんと進歩を認め、それに感謝することで、モチベーションと意欲を再燃させることができます。 ポジティブな瞬間を強調することで、そもそもなぜそのプロジェクトを始めたのかを思い出し、前進し続けるために必要なエネルギーを自分自身に与えることができます。 ですから、どんなに小さくても勝利を祝い、その前向きな勢いを維持することを忘れないでください！
アジャイルプロジェクト管理は、信頼性が高く効率的な方法でプロジェクトを進めるための優れた方法です。 プロジェクトを順調に進め、集中力を維持するには、アジャイルの原則とコアバリューを理解する必要があります。 チームに権限を与え、明確な目標と期待値を設定し、進捗状況を定期的に監視することで、プロジェクトの成功率を高めることができます。 アジャイルという旅に出るならば、マニフェストの原則に忠実であり続け、その過程で発生する可能性のある変化に対してオープンマインドであり、成功を祝うことを忘れないでください。 アジャイルを始めるのにサポートが必要な場合や、プロジェクトサイクルのどこかの段階にいて分からないことが発生した場合、どのような場合も心配はいりません。 私たちプラチナムエッジのチームがお手伝いします。 詳細については、今すぐお問い合わせくださいーぜひお手伝いさせてください！
