アジャイル移行を実例を示して導いていく

最近、私は契約中のチームメンバーと夕食を食べに行きました。 会話の最中に誰かが「うちの上司がアジャイル移行に賛成していないことは、全員知ってる」と言いました。 私は当惑しました。

この組織は、長年従来のウォーターフォールプロジェクト管理のアプローチをとっていました。 彼らは、仕事上のステークホルダーに非現実的な期待をさせ、守れないコミットメントをし続けていました。 彼らは過剰な量の進行中作業と、際限なく変化する優先順位に苦しんでいました。 素晴らしい人材がいましたが、階層的な管理スタイルは息苦しいものでした。 企業文化として透明性を推奨していましたが、失敗を受け入れる環境ではありませんでした。 残念ながら、彼らの思考と行動には恐怖心が強く影響しました。

先の発言が私を困惑させたのは、その上司が、組織、会社、企業文化を変えたいと思っていることを知っていたからです。 その人が個人的にアジャイルコーチング、メンタリング、トレーニングの取り組みを承認し、結果を切実に望んでいることも私は知っていました。 経営幹部の仲間とアジリティを推進しようとしていることも、組織との四半期ごとの全社員参加型の「オールハンズ」会議で、アジャイルの進展について率直に話していたことも知っていました。 また、その上司は、他の幹部に対しても、部下に権限を与えるように、そして革新を推進するように働きかけていたことも知っていました。

それが伝わっていなかったのはなぜでしょう? その上司がアジャイル移行へのコミットメントを示すために、これ以上何ができたのでしょうか?

千里の道も一歩から ー老子

トレーニングへと導く

上司もアジャイルトレーニングに参加することができたはずです。 トレーニングに参加した人は、社員であれば自分の上司も、幹部であれば他の幹部にも参加してほしかったと思ったそうです。 従業員は、企業文化を改善するための新しい考え方を学びましたが、担当者が新しい考え方を受け入れたり支持したりする自信は低かったそうです。

幹部層が「私はトレーニングを受けました(スクラム認定を受けました と言ってくれればなお良いです)。今ではアジャイルフレームワークが他とどう違うかを理解しており、私が学んだことをみんなに活用してもらえることを楽しみにしています」と言える状況だったら、その組織にどれほどの影響があったかを考えてみてください。

スクラムマスター、プロダクトオーナー、開発者、またはアジャイルリーダーなどの認定コースは、リーダー(CSM、CSPO、CSD、CALそれぞれ)にとって重要なトレーニングの機会です。 その他、非常に効果的で分かりやすいトレーニングの機会は、 スクラムギャザリングや、地元のアジャイル・ミートアップです。

アジリティの実践を用いて導く

その上司が、チームと共にアジャイル手法を実践してもよかったと思います。 その上司は、スタッフとの間で取り上げるべきトピックをアジェンダ(バックログ)として管理していましたが、そのチームはスクラムを使っていませんでした。 その上司は、スプリント計画デイリースタンドアップなどのスクラムイベントを利用して、チームの仕事を推進することができていませんでした。 『アジャイルマニフェスト』 の価値と、「信頼、やる気のある個人、持続可能なペース、早期に失敗しおく」といったことを促進するアジャイルの原則12をチームと共有できていませんでした。

チームでスクラムを使用していれば、勇気、集中力、コミットメント、開放性、尊重(スクラムの価値観)を示し、強調する機会を得ることができたでしょう。 その上司は、ステークホルダーとして従業員が参加できるスプリントレビューの機会を設けていなかったため、彼のチームが得意であった、変化に適応するということの実例が示せていませんでした。 組織は「上司がそうではないのに、なぜ私たちがアジャイルにならないといけないの?」と疑問に思いました。

自分の上司がが下記を活用しているのを見れば、従業員はアジャイル移行についてどう感じるかを考えてみてください:

  • 優先作業を達成するためのスクラム。
  • 毎日のスタンドアップ。
  • ステークホルダーのフィードバックを積極的に求めたり、最近の失敗についてオープンに話しをしたり、さらに重要なことに、チームがその失敗から何を学んだかについて率直に話したりするスプリントレビュー。
  • 透明なバックログまたはチームのバーンダウンチャート。
  • 透明で振り返り的な改善のためのアクションと実験
  • 共通の目標にむけてチーム全体を支えるための進行中の作業量の制限。

検査と適応をすることで導く

上司たちは、チームと製品のインクリメントを検査できます。 スプリントレビューは、幹部層にとっての優先事項ではありませんでした。 オープンスペースのイベントでは、人々に「足で投票しよう」、つまり、自分が最も価値を提供できる、あるいは受け取れる場に参加しようと呼びかけます。 スプリントレビューに参加しなかったこの上司は、自分が、チームの取り組みと製品のインクリメントを重要視していないというメッセージを送ってしまった(「足で投票した」)のです。

スプリントレビューをスキップするということは、その上司が生産的なコーチングの機会を逃したということ。 励ましや自信を与える機会、質問をし、助けを出す(サーバントリーダーシップの資質) を提供する機会を逃しました。 チームの課題をよりよく理解するために、スプリントやリリースを検査する機会や、バーンダウンの傾向を分析する機会も逃しました。 また、移行をサポートしている様子を見せたり、聞かせたりする機会も逃しました。

スプリントレビュー中に、上司たちがチームのパフォーマンスに対する感謝の意を表したり、自分のチームが課題を克服すると信じている、などと言うのを聞くことは、チームにとって大変な励みになります。 あるいは、一度に1つの最優先ストーリーにスワームするチームや、チームの構築、個人の能力を褒めるなど、新しい姿勢を積極的に見せることも、よい影響を与えるでしょう。 上司が障害が取り除いてくれたり、もっと言えば、上司が時間をかけて障害を自分たちで取り除く方法を教えてくれたりしたら、チームはどれほど嬉しいでしょうか。

幹部層が、ビジョン化、ロードマップ作成、リリースまたはスプリント計画セッション、デイリースクラム、スプリントレビュー、製品発見のワークショップに参加することは、「自分の足で投票する」絶好の機会です。 イベントの間ずっと参加できるとは限りませんが、参加するなら少なくとも1つは意見を言うか、1つは質問をしてください。 自分が参加したことを全員に知らせ、チームが取り組んでいることは、自分自身の優先事項であることも強調しましょう。

他者を信頼することで導く

最後に、その上司は、スクラムチームが責任を負う環境を作るのではなく、幹部チームにリリースの責任を負わせました。 逆説的ですが、幹部チームにリリースの責任を負わせることの影響は、間違った行動を生み出す環境を作り出す方向にリームを駆り立ててしまいました。

幹部チームは、プロダクトバックログとプロダクトリリースチームのメンバーをコントロールする必要があると感じ始めました。 彼らは、製品開発チームに、権限を与え、自己組織化した「プル」を可能にするのではなく、彼らにベロシティ、アーキテクチャ、ソリューションを「プッシュ」する必要があると感じました。 これにより、チームは「考える人」ではなく「実行者」になりました。

無限の可能性を秘めた高給取りで才能のある人々が、創造性、個人の成長、開発の機会をつぶされました。 上司の信頼の欠如は、そのスタッフの信頼の欠如につながり、連鎖的に信頼を失っていきました。

製品リリースチームが説明責任を果たせるようにすることは、上司にとっても強力な影響を及ぼします。 アジャイル組織は、システムに最も精通している人々が問題に対処することを望ましいとしています。 担当チームほど、その問題を理解している人はいないので、彼らを信頼する必要があるのです。

アジャイルの原則5は、まさにこのことに言及しています。「やる気のある個人を中心にプロジェクトを構築し、彼らが必要とする環境とサポートを提供し、仕事を成し遂げるために彼らを信頼すること。」 組織、チーム、個人の能力を構築することは、今日のリーダーシップにおける重要な責務です。

リードすることは困難ですー特に変化の最中には。 幹部職員が組織の移行をサポートする場合、その幹部は自分の部下と同じくらい、あるいはそれ以上に移行に適応する必要があります。 プラチナムエッジでの経験から、効果的で永続的な組織変更には、強力で目に見える経営陣のオーナーシップがあると思います。

私の大好きな上司がかつて私に教えてくれました原則を、一日も思い出さなかった日はありません。 「幹部たちは常に見られている。」

あなたの部下は、あなたをどんはふうに見ているでしょうか?

自分の組織を変えたいのなら、自分のやり方を変えなければなりません。 あなた自身が模範を示し、アジャイル移行の指針にしましょう。 部下たちがついてきやすくなります。 アジリティについてさらに学び、学んだことを実践し、検査して適応し、人々を信頼することで、模範を示してください。

当社の評価採用トレーニングコーチング&メンタリングサービスを使って、模範を示してください。

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