アジャイル移行はひとつの旅です

組織をよりアジャイルにしたいということは、実際には、顧客と株主の価値をさらに生み出したいということです。 おそらく、獲得したい特定の市場や業界があって、自分たちの製品がそれをうまく実現できていないのでしょう。 あるいは、競争力を高める必要があるのかもしれません。 または、財務動向や予測が、同じようにかたちで事業を継続できないことを示しているのかもしれません。 いずれにしても、アジャイル移行は困難であり、より高尚で、より効果的で、さらなる価値を創造する状態への道のりは厳しいものです。

そもそも組織的な変革は可能なのでしょうか? 答えはもちろん「はい!」であり、私たちは、あなたの旅に役立つかもしれない、いくつかの道しるべを発見しました。

道しるべ1:あなたが現在どこにいて、どこに向かっているのかを理解する

どんな旅であれ、出発地と目的地を知る必要があります。 あなたが望む結果は何ですか? あなたの組織は、どうなる必要がありますか? どのような変化を加える必要がありますか? 移行に伴う変化は、多くの場合、不明確で、リスクがあり、費用がかかる可能性があります。

あなたがどこにいるかを評価する

ほとんどの組織にとって最初の道しるべはアジャイル評価であることがわかっています。 この評価とは、既存のプロジェクトの管理慣行、企業目標、企業文化、および組織に関する2~5週間にわたる集中的な見直しです。 この評価により、出発点の理解を深めるだけでなく、将来の実践戦略とロードマップも得られます。 重要な旅に不可欠なのは、優れた地図です。

道しるべ2:旅の準備をする

旅を成功させるには、きちんとした準備が必要です。 準備するときは、パッキングリスト、食料、天気、可能性のある地形、その他の多くの要素を考慮する必要があります。 準備は、旅の途中で出くわすもののためにあります。 アジャイル移行の文脈では、次の準備をお勧めします。

コミュニケーション、コミュニケーション、コミュニケーション

組織内の全員が、アジャイル移行の旅路を行く 理由 を理解できるようにサポートします。 達成したいビジネス成果を知らせます。 誰もがあなたのビジョンを理解できるよう、説得力のある「理由」を書いたステートメントを作成します。 次に、アジャイル移行という旅の最初の手順を伝え、今後どのようにコミュニケーションをとっていくのかということを共有します。 すぐに完璧な成果を出せるわけではないけれど、実験、検査、適応プロセス通じて、どんどん良くなっていく可能性がある、という期待値を設定します。 それには、ちゃんとコミュニケーションをとることが不可欠なのです。

トレーニング、トレーニング、トレーニング

組織内の誰も取り残されることのないようサポートしましょう。 組織の人たちが新しい世界に慣れていくためには、トレーニングが重要です。 ビジョンを把握し、何が必要で、なぜそれが重要なのかを理解できるようにサポートします。 基本的なアジリティ入門コースには、認定スクラムマスター(CSM)認定プロダクトオーナー(CSPO)、認定スクラムデベロッパー(CSD) コースが含まれます。

認定アジャイルリーダーシップコースは、リーダーたちにも役立ちます。 その後、スクラムマスターとプロダクトオーナーには、より高度なトレーニングが必要になってきます(アドバンスト認定スクラムマスター(A-CSM)、アドバンスト認定スクラムプロダクトオーナー(A-CSPO))

スクラムマスター、プロダクトオーナー、開発者は、最終的にそれぞれの役割で認定スクラムプロフェッショナル(CSP)コースに進むことができます。 時間に制約のあるエグゼクティブ向けには、アジャイルエッセンシャルクラスをお勧めする場合もあります。 トレーニングには費用がかかるかもしれませんが、これらの重要なスキルと知識で組織に力を与えないと、より費用がかかることになります。

大切なこと:トレーニングとプロのコーチングへの投資から始めることは、コストセンターではなく、プロフィットセンターなのです。

案内人を探す

信頼できる案内人(ガイド)を見つけることは、アジャイル移行を進めるためにとても大切です。訓練を受けたばかりのチームメンバーは、 コーチングとメンタリングによって、 学んだことを実際の仕事に適用できます。 能力は経験によってもたらされ、組織が適切な経験を得られるようにするには、ガイドが不可欠です。 練習によって得られるものは、完璧さではなく、永続性です。

ただし、ガイドは、荷物を運んでくれるロバではありません。 組織を変革できるのはあなただけです。 良いガイドはあなたに道を示しますが、あなたの荷物を運ぶことはしません。 ガイドは誘導し、案内をしてくれますが、運転はしません。 まずはあなたの管理下で、試験的なパイロットチーム、メンバー、そしてプロジェクトの選択、ビジネスの優先順位の決定、従業員の管理を行ってください。

組織サポート(ATT)を構築する

成功したすべてのアジャイル移行の裏には、エグゼクティブのサポートがあります。 組織に変化をもたらす権限を与えられたリーダーの、部門横断的なチームを編成しましょう。 次に、彼らにアジャイル移行を確実に成功させる責任を負わせます。 多くの人が、このチームを アジャイル移行チーム (ATT)と呼んでいます。

彼らが模範を示し、自分事のようにスクラムを実践し、実践戦略とロードマップを推し進めるようにしてください。 組織がどうなるかについてのアジャイルビジョンに貢献させ、責任を持てるようにもしてください。 パイロットチームのレトロスペクティブ中に表面化した組織の障害は、彼らのバックログになります。 スプリントごとに、ATTはチームの環境を改善し、組織全体のパフォーマンスを向上させます。

草の根的な実験

実験的なパイロットチームを、1 つずつ編成していきます。 トレーニングで学んだことを応用させてください。 間違いがあっても大丈夫です。 そこからすぐに学ぶでしょう。 早期に失敗しておくことの価値を理解できるようにサポートしてください。 可能な限り緊密に、安全に、顧客と連携できるようにします。

スプリントレビューとレトロスペクティブを通じて、チームがより効果的になるために必要な調整を行い、実験を重ねます。 この草の根的な成長は、チームが拡大する前にアジリティの基礎を学ぶことに集中できるようにするために、とても重要なことです。 草の根的な成長は、しばしば経営陣によって行使される、抑制的な「予測、指揮、制御」傾向ではなく、健全な自己組織化を促進します。 パイロットチームは、成功を妨げる組織の障害を明らかにすることで、組織が学習し、適応するのを助けます。 できる限りチームを安定させ、永続性を維持しましょう。

アジャイルマニフェスト、12 の原則、スクラムの価値観を組織の DNA に組み込みましょう。 それらを繰り返し参照してください。 分かりやすくお知らせをして、頻繁なデモンストレーションで強化していきます。 パイロットチームが必要とする環境を整え、サポートをしたあとは、パイロット チームに仕事を任せます。

スクラムチーム:アジャイルコーチの比率は2:1 で維持します。 これにより、スクラムマスターはチームのコーチになるために必要なサポートを受けることができます(チームがアジャイルの基礎を学ぶときは、できれば1:1が望ましい)。 「スケーリングされた」チームではなく、高度に足並みのそろった自律的なチームを実現しましょう。

大切なこと: スケーリングには、アジャイルの価値観と原則を適用する経験と理解を備えた、自律的なチームの強固な基盤が必要です。 スケーリングしたり、物事をより大きく、より複雑にしたりすることは、アジリティのアンチパターンです。

実践コミュニティまたはギルドを確立する

組織が他者の成功から学ぶ機会を作りましょう。 機能マネージャーが、能力の構築に焦点を当てた人材開発管理を担当できるようにしましょう。 彼らに実践コミュニティをリードさせ、組織全体にその熱意を広げられるようにしましょう。 実践に関するエキスパートのコミュニティであるWenger-Traynerは、実践コミュニティを次のように定義しています:

「自分のしていることに対する懸念や情熱を共有し、定期的に交流することで、それをより良くする方法を学ぶ人々のグループ。この定義は、人間が学習する時の根本的に社会的な性質を反映するものだ。」

アジャイルの実践コミュニティの例としては、スクラムマスターやプロダクトオーナーのコミュニティ、熱心なDevOps、ユーザーエクスペリエンスや品質保証に関心のある人々のコミュニティがあります。 才能のある仲間で作るコミュニティでの学習と改善の機会は無限にあります!

道しるべ2:歩き始める

目的地がわかり、旅の準備ができたので、次は前進するための第一歩を踏みましょう。

重要なのは、あなた自身の実例と サーバント・リーダーシップ です。 アジリティを示す時は、実例を示してください。 試して失敗し、フィードバックを集め、また実験してください。 あなたが期待することを実践してください。 オープンさと透明性を保ちましょう。 チームに参加している場合、またはチームのリーダーである場合は、初心者向けのシンプルで実績のあるスクラムフレームワークを使用してください。

あなたの組織のメンバーが、真実と向き合うことが苦手なら、彼らはアジャイルを好まないと思ってください。 アジャイルとは、一連の価値観と原則です。 経験に基づくコントロールメソッドです。 事実を露呈させ、それに取り組む暴露モデルです。 自分自身、チーム、そして組織に対して正直であることの実例を示して管理しますが、これには(公な)もろさが必要になります。

最初は、旅の速度がゆっくりかもしれないことも覚えておいてください。 新しい筋肉を作るには時間と繰り返しが必要です。 どんなに困難になっても、旅をあきらめないでください。 水のように、障壁が現れたときには、常により良い道を見つけるようにしてください。 アジャイルマニフェストが宣言しているように、「計画に従うことよりも変化 [is valued] に対応すること」。

旅の間は、勢いがすべてです。 前進するか後退するかのどちらかです。 勢いを維持するために、いくつかの提案があります。

旅を楽しむ

アジャイル移行は、人々による旅です。 人々を、資源ではなく人として扱います。 個人と、その相互作用は、プロセスやツールよりもはるかに重要です。 顧客との協働は、契約交渉よりも重要です。 ユーモアは移行を成功させるために不可欠です。 ユーモアと楽しみをあなたの旅に組み込む方法を見つけてください。 勝利を(失敗、つまり早期の学習も)頻繁に祝いましょう!

有能な仲間ならば、旅の途中で十分な休息やサポート、共感や思いやりを必要とするでしょう。 彼らが 自律性、目的、習熟 、そして帰属意識を持てる環境を作りましょう。

顧客中心の結果を示す

チームが顧客中心の成果を達成できるよう助けましょう。 成功は、より多くの成功をもたらします。 アジャイル移行が顧客の生活をどのように改善するかについて、常に考え続けましょう。 スプリント、リリース、プロダクトゴールを、顧客のニーズに合わせて調整します。 開発の後半であっても、変更を歓迎することを忘れないでください。 次に、その変更を顧客の競争上の優位性に活用します(アジャイルの原則#2)。

船を燃やす(背水の陣を敷く)

エルナン・コルテスは、600人の兵士と一緒に新世界に到着した後、彼らに成功を動機付けをするため、船を燃やしました。 同様に、あなたにとっての船は何かを特定し、燃やしてください。 あなたの視界から、後退の可能性をすべて排除してください。 そのための良い例をご紹介します:

  1. 人々が新しい役割を引き受けられるようする。 ただし、すぐに彼らの肩書きと、パフォーマンス評価に使用される基準(パフォーマンスレビューなど)を変えてください。 シニアビジネスアナリストという古くさい肩書きで、新たなスクラムチームを作ろうとしても、 皆を混乱させるので、この肩書きは不要でしょう。 新たな役割で成長するにつれて、皆、その後どのようなキャリアの機会が待っているのかを知りたいと思うことを忘れないでください。 チームメンバーの個々の目標を奨励することから、チームとしての目標を奨励することへと、時間をかけて移行しましょう。
  2. プロジェクトディレクター、PMOリーダー、プロジェクトマネージャー、マネージャー、ビジネスアナリストといった人材募集は、組織がよりアジャイルになるためには向いていません。 従来の役職ではなく、アジャイルな役職や職責で埋めていくような判断をしてください。 新しい役職は、ヒエラルキーではなく、顧客にどのようにサービスを提供するかに焦点を当てます。
  3. ソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)を、チームの「完了の定義」に置き換えます。 チームが製品の品質、自動化、アーキテクチャ、パフォーマンス、セキュリティなどに責任を持ち始めることができるようにしましょう。 本番リリースの前に立ちはだかる門や障壁を取り除きましょう。 スクラムチームは、スプリントのたびに、本番環境に対応した品質で「出荷可能な」製品インクリメントを作成します。
  4. あなたのPMOを、コンプライアンス組織から、権限を与えられた組織に変えてください。 「管理」から大胆なサーバントリーダーシップへ。 チームに説明責任を果たすように教えます。

自分と他人を比較しない

他の人は、あなたより速いかもしれないし、遅いかもしれません。 組織にとって意味のあるペースで進みましょう。 一貫した効果的な取り組みが成功につながります。 途中で成熟度を測定するためのアジャイル評価ツールがいくつかあります。 使うのは1つにしてください。

最も重要なことは、指を失わないこと !

最近の話ですが、あるクライアントのATTのプロダクトオーナーに、現在のアジャイル移行の旅が終わると、自分がフロド・バギンズのように感じるかもしれないと話しました。 すると彼は「え、指を失くすってこと?」と言ったのです。 私は冗談めかして、アジャイル移行の旅の途中に、手足を失うこともあるが、旅にはそれだけの価値があるだろうと言いました。事実、そのとおりでした。

Scrum Allianceによると、ほとんどの組織が経験する アジャイル移行の利点 は次のとおりです:

  • イノベーションの迅速化
  • アイデアから納品までの時間を短縮
  • 顧客満足度の向上
  • 従業員の士気を高める

91か国、27産業、2,000人以上が回答したState of Scrum 2017-2018で、上位を占める成果は次のとおりです:

  • 納入された製品に対する満足度の向上
  • 市場投入までの時間を短縮
  • より良い品質

良好なコミュニケーション、現在地と目的地の把握、旅に必要な準備をする、そして決意を持って歩き始める勇気を持つことーこれが成功への鍵です。 目的地に到着すると、あなたその成果に歓喜し、新たな素晴らしい景色に驚嘆するでしょう。 そして、短い深呼吸をした後、前を向いて「さあ次だ」と言うのです。

アジャイル移行の旅、次に待っているものは何でしょう?

20年以上の実績を持つガイドとして、あなたのお手伝いをします。 当社のトレーニングや、優秀な人材を採用する力、経験豊富な認定スクラムプロフェッショナル(CSP +)コーチは高い評価を得ており、組織に何も失わせることなく、望ましい移行へと導くことに成功してきました。

当社の評価採用トレーニングアジャイル移行をご利用いただき、アジャイル移行という目的地に到達するお手伝いをさせてください。

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