ジェイソン・ガードナー（編）
ガイド：ＯＫＲを効果的に使う方法
あなたが、組織の成功を最大化しようとしている専門家である場合、自由に使える最も重要なツールの１つが、「目標と主要な結果」（Objectives and Key Results=ＯＫＲ） であり、それを適切に使うことです。 ＯＫＲを使うと、組織全体で明確なコミュニケーションがはかれるようになります。つまり、概観的な目標を設定し、進捗状況を把握し、チーム間の連携を促すことができるのです。 しかし、ＯＫＲを効果的に使用する方法を学ぶのは、難しいと思うかもしれません。 そこで、この記事では、ＯＫＲを使用するメリット、ＯＫＲを実装するときに避けるべき落とし穴、および企業が潜在的なメリットをすぐに実現するためのヒントをご紹介します。
目標と主要な結果（ＯＫＲ）を定義する
目標を設定し、進捗状況を把握することは、あらゆる取り組みで成功を収めるための鍵であり、ここで「目標と主要な結果」（ＯＫＲ） の概念が登場します。 ＯＫＲと は、個人や組織が明確な目標を定義し、その達成に向けた進捗状況を把握するのに役立つ目標設定フレームワークの一種です。
「目標」とは、達成したい高レベルの目標であり、通常は野心的で挑戦的です。 目標は重要ですが、「環境負荷の改善」など、目標だけでは評価が難しい場合があります。 「主要な結果」は、目標を達成するために想定される方向性を示します。 これらは測定可能であり、進行状況を測定するためのメトリクスを示します。
基本的にＯＫＲ は、「集中」、「調整」、「責任の範囲」を設えることで成功のロードマップを作り、ブレることなく進み、望んだ結果を達成するのに役立ちます。 ビジネス オーナーであっても、チーム リーダーであっても、あるいは成長したいと望む個人であっても、ＯＫＲは、自分にとっての成功の意味と、そこにたどり着く方法を定義するのに役立ちます。 適切な考え方とアプローチがあれば、ＯＫＲは成功を促し、目標を達成するための強力なツールになります。
次に、ビジネス の文脈におけるＯＫＲ の例をご紹介します。
目標：カスタマーサポート・エクスペリエンスの向上
主要な結果：
- メールの平均応答時間を 24 時間から ８ 時間に短縮する。
- 顧客満足度を75%から90%に向上させる。
- 平均通話待機時間を 10 分から ３ 分に短縮する。
ここでの「目標」は、「カスタマーサポートを改善する」という主要な目標を明確にしています。 「主要な結果」は、目標の達成に向けた進捗状況を把握するために使用できる測定可能な結果を示しています。
目標に優先順位を付け、職務を確立する
例えば、達成したい目標を書いた長いリストがあるのに、どれ一つ進んでいないというようなことがありませんか？ 目標に優先順位を付けることで、エネルギーを集中させ、自分にとって最も重要な結果に向けて有意義な進歩を遂げることができます。しかし、目標に優先順位を付けるだけでは十分ではなく、誰にその責任があるのかを認識することが重要です。つまり、各目標の進捗を推進する責任者を特定する必要があるのです。これは、あなた自身が責任者である個人的な目標かもしれないし、チーム全体の目標かもしれません。責任者が明確になると、自ずと責任の範囲が分かります。責任者には、目的を推進するために必要な決定を下す権限があるということも、覚えておきましょう。主要な優先事項をこなしながら前に進み、目標とする成果をもたらすために有用です。ですから、時間をかけて目標を再評価し、責任の所在を明確化してくださいーそれが、あなたの成功を実現させるための鍵かもしれません。
進捗状況を定期的に監視する
成功を収めるには、進捗状況を把握することが重要です。 進捗状況を定期的に監視することで、集中力とモチベーションを維持できます。 成果とつまずきを記録することで、改善が必要な領域を特定し、それに応じて戦略を調整できます。 進捗状況の監視は、望んでいる目的地へのロードマップのようなものだと考えてくださいー地図やＧＰＳを確認せずに、知らない場所に行くことはありませんよね？ これは、目標を達成する時にも当てはまります。 進捗状況を定期的に監視することで、進むべき方向を間違わず、途中で迷子になることを防ぐことができます。 したがって、進捗状況を把握することの価値を過小評価しないでくださいーあなたの目標を迅速かつ効率的に達成するための鍵となる可能性があるからです。
成功を測定するためのマイルストーンの設定
マイルストーンを設定することは、成功を達成するために重要です。 進捗状況を測定する明確な道筋や方法がなければ、モチベーションを維持し、目標を達成することに集中することが難しくなる場合があります。 目標を、より小さく、達成可能なマイルストーンに分割することで、進捗状況を把握し、成功へ向かう過程ごとに達成感を得るのに役立ちます。 プロモーションに向けた作業、新しいスキルの習得、プロジェクトの完了など、マイルストーンに到達するたびに、最終目標に一歩ずつ近づきます。 したがって、時間をかけて有意義で現実的なマイルストーンを設定し、目標に到達するための方向性、ひらめき、モチベーションを得られるようにしてください。
チームや関係者とＯＫＲを共有する
目標を達成するには、効果的なコミュニケーションが重要です。 そのため、「目標と主要な結果」（ＯＫＲ） を、チームや関係者と共有することが重要です。 達成したいことと、そこに到達するための計画を明確にすることで、全員が、自分に何が望まれているのか、チームの成功にどのように貢献できるのかを、より理解できます。 これにより、コラボレーションとチームワークが向上するだけでなく、ステークホルダーからの信頼と、彼らへの透明性を構築するのにも役立ちます。 コミュニケーションは一方通行ではないため、フィードバックに耳を傾け、それに応じて ＯＫＲを調整するようにしてください。 オープンなコミュニケーションをすることで、全員が共通認識を持っていることが分かれば、自信を持って目標の達成に向けて取り組むことができます。
目標が達成されたときに成果を祝う
目標を達成することは、長く困難な旅になる可能性があります。 だからこそ、最終的にフィニッシュラインに到達したときには、きちんと祝うことが重要です。 学業のマイルストーンであれ、キャリア上での達成であれ、個人的な成功であれ、自分の努力と決意を認識することは、モチベーションを高め、その成功を、次の道程での努力につなげるための最適な方法です。きちんと自分が達成した成果をかみしめることで、誇りと自信を植え付け、定めた目標を達成できることを再認識することができます。 さあ、ビクトリーラップで成果を祝って、次なる挑戦に向けた準備をしましょう！
失敗から学び、それに応じて戦略を調整する
成功への道は、決してまっすぐではありません。 最も熟練したプロでさえ、ある時点でつまずき、倒れ、失敗したことでしょう。 失敗にどう対処するかで、成功を勝ち得るかどうかが決まります。 成功者は、失望する代わりに、失敗というものを、学習し、成長し、それに応じて戦略を調整する機会として利用します。 失敗は終点としてではなく、より大きく飛躍するために必要なハードルとして見なされるべきです。 これからつまずきを経験しても、失敗があなたの価値を反映するものではなく、進化する機会であることを忘れないでください。 失敗を受け入れ、そこから学び、成功をし続けるための燃料として利用しましょう。
まとめ
結局のところ、プロジェクトや企業の成功は、目標と主要な結果の有効性に大きく左右されることが多いのです。 幸いなことに、ＯＫＲというフレームワーク を利用すれば、明確な目標が示され、その進捗を把握できるため、組織は最も重要なことに集中し続け、その過程で重要なマイルストーンを確実に達成することが、これまでになく簡単になります。 ＯＫＲを設定、責任の所在の明確化、進行状況の把握、マイルストーンの設定、チームおよびステークホルダーとの目標の共有、目標達成時に成果を祝う、失敗から学ぶ、必要に応じて戦略を調整するーこうすることで、組織の目標達成が果たされるのです。 ＯＫＲ が長期目標への集中力を高め、チームの連携を促すのにどれほど効果的であるかをご理解いただけたと思います。さあ、いよいよ実践する時です！ アジャイルによる成果主義の価値観を身につけるべく、今すぐに前に進みましょう！
